大事な問題だけに厳しくいきます!
西澤氏が解くのは親の側から見た虐待とそれに伴うトラウマについてです。虐待は遭った人間にしかわからないと被害者たちは口を揃えますが、まさにその部分がこの一冊には欠けています。学術的な部分を非常に解りやすく書いてくれていますが、今ひとつ主体性に欠けています。どこか見聞したものだけを並べたようなヘロドトスの「歴史」のような空虚を感じてしまうのです。
西澤氏が以前テレビで語っていましたが、いわゆる「毒になる親」に対して氏が被害者に語った言葉はなんと「被害者が大人になりきっていないことが原因」と斬捨てました。これには耳を疑いました。「毒親」のモラ・ハラが「(毒親は)大人になりきれないようあらかじめ、意識下で幼児期からマインドコントロールしている」というのはいまや常識ですが、氏はそれについてはまったく知らなかったのです。精神的な病の治癒率が極端に低いと、昨今ようやく旧態然とした精神分析が批判されるようになったわけがわかるような気がしました。
この一冊で西澤氏の論を完璧と思い込むと、親の虐待を親から見たトラウマはともかく、一方的に被害を受ける子供側の視点に立ったときに、解釈に致命的な誤りが生まれる可能性があります。机上の空論で無駄な論文を書くことが仕事の人はともかく、実践の場にいるカウンセラーはこの勉強不足な著者には注意が必要です。
わかりやすく、理解しやすい
虐待によるトラウマ。トラウマとは?トラウマが癒えるということはどういうこと?という疑問が解けていく一冊。トラウマというものを知る上で、基本となる一冊。
これはいい!
日本では、トラウマの第一人者である西沢先生のわかり易い著書。トラウマのメカニズムやその記憶の仕組みなど、わかりやすく、丁寧に解説してあります。施設など専門職についておられる方はもちろん、子どもの虐待などについて「ちょっと興味がある」という人でも読める内容だと思います。おすすめ!
最近日本でも珍しくなくなりました
本当に胸が痛い事件だと思います。虐待。 筆者は独自の観点で、『親と子供の関係の乱用』と虐待をとらえていますが、早急に対応が求められる事柄ではないでしょうか。 本書の内容は新書でありながら、虐待やトラウマの心理的メカニズムを分かりやすくかつ、過不足無く記載してくれていて、興味があるレベルの方から、心理臨床に関わる方まで幅広くためになる無いようだと思います。 また、虐待だけでなく、日常の生活でも発生しうる『トラウマ』の内容や対処などを扱ってくれているのでそういった意味でもためになる本だと思います。
簡潔にして十分な記述
子どもへの虐待、それがもたらすトラウマ、トラウマと関連して生じる解離性障害(多重人格を含む)やPTSD、子どもを虐待する親が抱えている問題、そしてトラウマを受けた人へのセラピーについて、簡潔でありながら十分な紹介がなされています。読者は、上記のようなテーマについて基本を正確に理解することができます。読みやすいので、読むのに時間はかからないでしょう。優れた入門書です。
講談社
子どもの虐待―子どもと家族への治療的アプローチ 虐待を受けた子どものプレイセラピー トラウマの臨床心理学 子ども虐待という第四の発達障害 (学研のヒューマンケアブックス) トラウマの心理学―心の傷と向きあう方法 (NHKライブラリー)
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